2009年12月19日
山登り#4 クバの御獄
嘉津宇岳登山を終えた後に今帰仁城跡の近くにあるクバの御嶽(クボー御嶽・クボウ御嶽)を訪問しました。ちなみに地元ではウガミーと呼ばれているそうです。
元々ここを知ったきっかけはここが琉球開闢七御嶽の一つであったということです。
琉球開闢七御嶽:琉球の神話で、日の大神が開闢の神アマミキヨに命じて島作りをさせた。アマミキヨはこの命を受け沖縄本島を作り、そこに9つの聖地と7つの森を作った。現在では、アマミキヨによって作られた聖地のうち7つが、琉球開闢七御嶽として語り継がれ、琉球の信仰において最も神聖な御嶽として位置づけられている。(wikiより)
琉球開闢七御嶽は、アマミキヨが作ったとされる順番に列記すると、
①安須森御嶽(あすむぃうたき):国頭村辺土
②クバの御嶽(くばのうたき):今帰仁村、今帰仁城跡付近
③斎場御嶽(せーふぁうたき):南城市知念
④薮薩御嶽(やぶさつうたき):南城市玉城
⑤雨つづ天つぎ御嶽(あまつづてんつぎうたき):南城市玉城、玉城城跡内
⑥クボー御嶽(くぼーうたき):南城市知念、久高島
⑦首里真玉森御嶽(しゅいまだむいうたき):那覇市首里、首里城内
となっていて、本島北部に位置するのは①と②です。
琉球の信仰では神に仕えるのは女性とされるため、御嶽は王国時代には男子禁制の場所だったそうです。現在でも一定区域までしか男性(あるいはしかるべき資格のある女性以外)の進入を認めていない御嶽もあるそうですので、その点だけは事前に調べてからここは大丈夫だろうという事で、男性である私も訪問しました。
クバの御嶽とはこの山そのものを差すそうです。標高は国定公園編入の新聞記事によると201mとあります。
頂上の両脇が人の肩のように膨らんでいる姿は、まさに神の山といった感じがします。
この写真は下記の県道115号線の看板近くから撮りました この山は今帰仁城址の各所からもよく見えます
今帰仁城址から今帰仁村歴史センターの前の道路を下って行くと県道115号線に出ます。
ここを左折してすぐ、今帰仁城址第三駐車場の道路向かいにこんな案内看板と標識があります。
ここを右折して細い道に入り20m位進むと、左側にこんな登り道が山へと続いています 場所はこのあたり
緑色の標識にはクバの御嶽(ウタキ)と書いてあります。
登り道の入口にはこんな案内板もありました。クリックして拡大できます
近くにはプトゥキヌイッピヤ(解きの岩屋)という洞窟があり、子宝祈願の拝所になっているそうです。
14:44 道が狭いので邪魔にならないよう登り口の反対に車を寄せて停め、ここから歩いて登り始めます。
しばらくは車でも通れそうなくらい道幅も広くて緩やかな登りが続きます。と思ったら・・・・・
元々ここを知ったきっかけはここが琉球開闢七御嶽の一つであったということです。
琉球開闢七御嶽:琉球の神話で、日の大神が開闢の神アマミキヨに命じて島作りをさせた。アマミキヨはこの命を受け沖縄本島を作り、そこに9つの聖地と7つの森を作った。現在では、アマミキヨによって作られた聖地のうち7つが、琉球開闢七御嶽として語り継がれ、琉球の信仰において最も神聖な御嶽として位置づけられている。(wikiより)
琉球開闢七御嶽は、アマミキヨが作ったとされる順番に列記すると、
①安須森御嶽(あすむぃうたき):国頭村辺土
②クバの御嶽(くばのうたき):今帰仁村、今帰仁城跡付近
③斎場御嶽(せーふぁうたき):南城市知念
④薮薩御嶽(やぶさつうたき):南城市玉城
⑤雨つづ天つぎ御嶽(あまつづてんつぎうたき):南城市玉城、玉城城跡内
⑥クボー御嶽(くぼーうたき):南城市知念、久高島
⑦首里真玉森御嶽(しゅいまだむいうたき):那覇市首里、首里城内
となっていて、本島北部に位置するのは①と②です。
琉球の信仰では神に仕えるのは女性とされるため、御嶽は王国時代には男子禁制の場所だったそうです。現在でも一定区域までしか男性(あるいはしかるべき資格のある女性以外)の進入を認めていない御嶽もあるそうですので、その点だけは事前に調べてからここは大丈夫だろうという事で、男性である私も訪問しました。
クバの御嶽とはこの山そのものを差すそうです。標高は国定公園編入の新聞記事によると201mとあります。
頂上の両脇が人の肩のように膨らんでいる姿は、まさに神の山といった感じがします。
この写真は下記の県道115号線の看板近くから撮りました この山は今帰仁城址の各所からもよく見えます
今帰仁城址から今帰仁村歴史センターの前の道路を下って行くと県道115号線に出ます。
ここを左折してすぐ、今帰仁城址第三駐車場の道路向かいにこんな案内看板と標識があります。
ここを右折して細い道に入り20m位進むと、左側にこんな登り道が山へと続いています 場所はこのあたり
緑色の標識にはクバの御嶽(ウタキ)と書いてあります。
登り道の入口にはこんな案内板もありました。クリックして拡大できます
近くにはプトゥキヌイッピヤ(解きの岩屋)という洞窟があり、子宝祈願の拝所になっているそうです。
14:44 道が狭いので邪魔にならないよう登り口の反対に車を寄せて停め、ここから歩いて登り始めます。
しばらくは車でも通れそうなくらい道幅も広くて緩やかな登りが続きます。と思ったら・・・・・
途中に廃車が放置されていました 後で調べたところ6年以上前からあるようなので緑に覆われています。
ここは2006年に沖縄海岸国定公園の特別保護地区に編入されましたので、早期に撤去される事を祈ります。
更に進んでいくと、こんな標識がありました。今帰仁村歴史文化遺産景観保全地区とあります
14:52 標識を過ぎると、祭礼の為の広場があり、1つ目の拝所”サカンケーモー”があります。
ここでは、旧暦の5月15日と9月15日にウプウガン(大御願)という祭事が執り行われます。
厳粛な空気感が漂っていて、訪れるだけで身の引き締まる感じがする、まさに聖地です。
拝所に向かって右側に山道が続いており、道標なのか勾配がきつい為の補助なのかロープが張ってあります
ひとまずはロープが続いている所まで行ってみようと思いました。
14:53 ここから険しい登りになります。ロープを頼りに何とか登れるようなポイントも随所にあります
15:07 断崖の岩肌を巻くようにロープが回っている最後の難所を越えて山頂と思しき場所に到着です。
登りの途中には2つ目の拝所があります。こちらは近年ユタによってつくられた拝所らしく石碑も新しいです。
山頂部近くには3つ目の拝所”クバの御嶽のイビ”があります。イビとは神が天降りする座のことだそうです
前述のウプウガンの際には今帰仁ノロと供のカネノロの二人だけがここまで上がり、祭神「ワカサノツカサ御イべ」に祈りを捧げるそうです。大きな岩を背にしたイビはとても神秘的な場所でした。
山頂は東~北~西と180度の眺望が開けていて海も近いので、200mの山とは思えないスケール感があります。
北北西方向の眺望です。右側に古宇利島が見えます。クリックして拡大できます。
リーフを境に海の色が違っているのがはっきり判ります。
眼下に今帰仁城址を見下ろします。クリックして拡大できます。
石積み城壁の独特な”うねうね感”が良く判ります。
こちらは西北西方向の眺望です。中央やや右に伊江島が見えます。
中央の印象的な山は田真地原という字にあるようですが山名は判りませんでした。標高はここと同じで200m位です。
最後に古宇利島(左)と伊江島(右)のアップです。
どちらも距離が近いので、島の形がくっきり認識できます。
展望写真を撮った場所から南側には、ばらばらになった石灰岩が積み重なった緩斜面がさらに高い上へと続いているようでしたが、ここから先はロープも無いし、岩も小さくて転がりそうな位に足場が悪かったため、怖くて断念しました 後で調べた所、山頂にも拝所があるようですが・・・・・そこまで行ってお祈りするのは大変なことだと思いました。
15:16 山頂は北風が強くて寒く感じたのと、結構恐怖感もあったので長居をせず下山を開始します。
下りも足を滑らせないよう、注意してゆっくりゆっくりと降りて行きます
15:42 時間がかかりましたが無事に登り口に到着です。これは途中で見つけた巨大クワズイモです
クバ(蒲葵)とは和名でビロウというヤシ科の植物の事だそうです。
沖縄では御嶽などの聖域に植生している神木で、これにちなんで「クバの御嶽」や久高島の「クポー御嶽」などの名前がつけられたということです。葉っぱがクバ傘とかクバ扇とかの民具に使われているのも見た事があります。
古宇利島に伝わる沖縄の創世神話で、
裸で暮らしていた1組の男女が、島の海岸から海でジュゴンが交尾している姿を見て男女の交合を知ると同時に裸でいる事が恥ずかしくなり、クバの葉を腰につけて衣服を身にまとうという事を覚えたそうです。ふたりは生殖と羞恥心を知り、その子孫が沖縄諸島の人々となったという”アダムとイブ”のようなロマンチックな話があるそうです。
どの山に登る時も同じかもしれませんが、特に御嶽をお参りする際には 『何も置いてこない、何も持ち帰らない』 ことを厳守する事が重要だそうです 大昔から人の手を加えられることなく守られてきたのであろう聖地を訪ねられた事に感謝してレポートを終えたいと思います。
ここは2006年に沖縄海岸国定公園の特別保護地区に編入されましたので、早期に撤去される事を祈ります。
更に進んでいくと、こんな標識がありました。今帰仁村歴史文化遺産景観保全地区とあります
14:52 標識を過ぎると、祭礼の為の広場があり、1つ目の拝所”サカンケーモー”があります。
ここでは、旧暦の5月15日と9月15日にウプウガン(大御願)という祭事が執り行われます。
厳粛な空気感が漂っていて、訪れるだけで身の引き締まる感じがする、まさに聖地です。
拝所に向かって右側に山道が続いており、道標なのか勾配がきつい為の補助なのかロープが張ってあります
ひとまずはロープが続いている所まで行ってみようと思いました。
14:53 ここから険しい登りになります。ロープを頼りに何とか登れるようなポイントも随所にあります
15:07 断崖の岩肌を巻くようにロープが回っている最後の難所を越えて山頂と思しき場所に到着です。
登りの途中には2つ目の拝所があります。こちらは近年ユタによってつくられた拝所らしく石碑も新しいです。
山頂部近くには3つ目の拝所”クバの御嶽のイビ”があります。イビとは神が天降りする座のことだそうです
前述のウプウガンの際には今帰仁ノロと供のカネノロの二人だけがここまで上がり、祭神「ワカサノツカサ御イべ」に祈りを捧げるそうです。大きな岩を背にしたイビはとても神秘的な場所でした。
山頂は東~北~西と180度の眺望が開けていて海も近いので、200mの山とは思えないスケール感があります。
北北西方向の眺望です。右側に古宇利島が見えます。クリックして拡大できます。
リーフを境に海の色が違っているのがはっきり判ります。
眼下に今帰仁城址を見下ろします。クリックして拡大できます。
石積み城壁の独特な”うねうね感”が良く判ります。
こちらは西北西方向の眺望です。中央やや右に伊江島が見えます。
中央の印象的な山は田真地原という字にあるようですが山名は判りませんでした。標高はここと同じで200m位です。
最後に古宇利島(左)と伊江島(右)のアップです。
どちらも距離が近いので、島の形がくっきり認識できます。
展望写真を撮った場所から南側には、ばらばらになった石灰岩が積み重なった緩斜面がさらに高い上へと続いているようでしたが、ここから先はロープも無いし、岩も小さくて転がりそうな位に足場が悪かったため、怖くて断念しました 後で調べた所、山頂にも拝所があるようですが・・・・・そこまで行ってお祈りするのは大変なことだと思いました。
15:16 山頂は北風が強くて寒く感じたのと、結構恐怖感もあったので長居をせず下山を開始します。
下りも足を滑らせないよう、注意してゆっくりゆっくりと降りて行きます
15:42 時間がかかりましたが無事に登り口に到着です。これは途中で見つけた巨大クワズイモです
クバ(蒲葵)とは和名でビロウというヤシ科の植物の事だそうです。
沖縄では御嶽などの聖域に植生している神木で、これにちなんで「クバの御嶽」や久高島の「クポー御嶽」などの名前がつけられたということです。葉っぱがクバ傘とかクバ扇とかの民具に使われているのも見た事があります。
古宇利島に伝わる沖縄の創世神話で、
裸で暮らしていた1組の男女が、島の海岸から海でジュゴンが交尾している姿を見て男女の交合を知ると同時に裸でいる事が恥ずかしくなり、クバの葉を腰につけて衣服を身にまとうという事を覚えたそうです。ふたりは生殖と羞恥心を知り、その子孫が沖縄諸島の人々となったという”アダムとイブ”のようなロマンチックな話があるそうです。
どの山に登る時も同じかもしれませんが、特に御嶽をお参りする際には 『何も置いてこない、何も持ち帰らない』 ことを厳守する事が重要だそうです 大昔から人の手を加えられることなく守られてきたのであろう聖地を訪ねられた事に感謝してレポートを終えたいと思います。
Posted by タヌ尾 at 16:00│Comments(0)
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