山登り#3 嘉津宇岳

タヌ尾

2009年12月19日 14:00

本部アルプスの第二峰である嘉津宇岳(かつうだけ:標高452m)に登ってきました。
この山は沖縄本島内で4番目、沖縄県内でも6番目に高い山ですが、山渓社のガイドブック”沖縄県の山”によれば標高270mの登山口まで自動車で行けますので標高の割に登りやすく、また山頂からの眺望も素晴らしいという事でしたので初心者にもおすすめの山かと思いました。

まずは山の全貌を確かめるべく勝山公民館へ向かいます。今日は土曜日なのであいにく誰もいらっしゃいませんでした
隣にあるヤギ料理がおいしいと評判の食堂は開いてましたが、あいにく弁当を持参していましたので今回はパスです。


公民館の道路向かいに山小屋があり、”森の駅 樹香里(きこり)”という看板があがっています。ここは勝山つたえ隊という地元の有志の方が作られたガイド業の拠点になっていて、シークヮーサーの花の蜜からできた蜂蜜を売っていると聞き、楽しみに来たのですがこちらも残念ながら誰もいらっしゃらず 鍵も閉まっていました

この場所からの眺めは素晴らしく、本部アルプスの山々が間近に並んで見られます

左から美しい円錐形をした三角山(さんかくやま:標高272m)、長い稜線を持つ安和岳(あわだけ:標高432m)、奥にちらっと山頂の通信施設が見える本部アルプス最高峰の八重岳(やえだけ:標高453.5m)、そし嘉津宇岳の前衛峰ともいうべき古巣岳(ふるしだけ:標高391m)です。
ちなみに本日のターゲットの嘉津宇岳は古巣岳の真後ろにある為、近すぎて見えません
三角山・安和岳・古巣岳は沖縄県内では登るのに難易度の高い山らしいですが、先の勝山つたえ隊で登山道や標識の整備などをされていてだいぶ登り易くなっているそうです。嘉津宇岳を含めて山同士の縦走もできるようなので経験を積んだらいつかトライしてみたいと思います。

勝山公民館&森の駅”樹香里(きこり)”
名護市字勝山467
0980-53-8336
地図はこちら

勝山つたえ隊 連絡先
0980-53-8572


公民館から自動車で舗装道路をさらに上って行くと広い駐車スペースのある嘉津宇岳登山口広場地図はここです)に到着です。登山口からは嘉津宇岳山頂が望めます

ズームインすると山頂にポールが立っているのを確認できます


この広場にはトイレと展望台もあり、展望台からは名護市街地を見下ろす事が出来ますので登山をされない方でも行ってみると良いかと思います
11:33 整備された階段に向かっていよいよ登山を開始します

本部アルプス一帯は自然環境保全地域に指定されている事を示す掲示板がありました。クリックして拡大できます。


木の階段はすぐに消え、石が目立つ登り坂になります。

11:42 10分ほど登るといったん平坦な道に出ます。ホッと一息ついてシークヮーサーの実を探す嫁

石の階段から登りが再開します。その先はさっきより大きくてごつごつした石灰岩が目立ってきます。

11:52 登山道ははっきりしていて目印も随所にあります。再び10分ほど登るとまた平坦な道に出ます

平坦な道はしばらく続きます。途中にロープで囲われた竪穴がありました。

おそるおそる覗いてみると暗くてかなり深そうです。でもフラッシュ撮影してみると・・・・・意外と底は浅かった
でも間違って落っこちたら大変なことになりそうです

12:02 ガイドブックに寄れば最後の登りにさしかかります。今までで一番の急傾です。

頂上に近づくにつれ、石灰岩はより大きくなります。先が尖っている部分もありますので軍手は必携です

12:02 ついに登山口広場から見えた山頂を示すポールが見えました。嘉津宇岳山頂に無事到着です
山頂には先客がいました。西原町から来たという20人ほどの小学生のグループです。
そう広くはない山頂にばらけて弁当やおやつを食べていましたが、私たちが尻込みしてしまうような崖の端っこで平気な顔で大騒ぎしていました 見ると低学年の子もいるみたいでビックリ 子供ってすごいですね
山頂が空いてから写真を撮りたかったので、先に私たちも持参した弁当をいただきいました。

引率の先生にお聞きした所、『普段からいろんな山を歩いている子供たちなので全然大丈夫ですよ~』とのこと。
さっき登山口広場に駐車してたマイクロバスでやってきてまず嘉津宇岳に登り、この後はなんと別ルートで古巣岳まで縦走して勝山公民館側に降りるという予定だと聞き、2度ビックリ まさにスーパー小学生ですね。

右の写真は、古巣岳に向かう途中の斜面で記念撮影をする所です 奥には八重岳の通信施設が写っています。
八重岳は沖縄の日本復帰前までは米軍の管理区域だった為、今も米軍の通信施設”八重岳サイト”があります。

嘉津宇岳山頂は360度のパノラマ眺望です。クリックして拡大できます。


雲の切れ目から名護湾に落ちる陽が白い島のように見えます。

八重岳山頂の通信施設です。こちらは国土交通省那覇航空管制局のレーダーサイトだそうです

伊江島もちらっと見えます。城山(タッチュー)は見えませんが風力発電の風車が2基見えます

高い位置から見ると、古宇利島と本部半島との間の運古海峡まではっきり確認できます

琉球セメント(株)の安和鉱山です。ベンチカット方式という露天掘りで石灰石を採掘しています。

こちらは共同で採掘されている部間鉱山です。国道449号線を走っていると形のよい円錐カルストが幾つも見られて好きなドライブコースですが、山と山の間が採掘場として削られているようです

山頂からアップで撮った安和岳です。尾根の稜線が三角山に繋がっています。縦走したら楽しいでしょうね。

こちらは通信施設が目立つ八重岳です。山頂まで車で行けますので登山には向かない山ですが、一月下旬の桜祭りの時には道路沿いにヒカンザクラが満開になり、山頂まで車が渋滞するそうです

こちらは古巣岳です。さっきの小学生たちはこの山に向かって縦走して行きました


13:10 山頂に思いのほか長居をしてしまい体が冷えてしまいましたが、下山を開始します。
  山頂は北風が強いと体感温度が下がって寒いので、何か1枚羽織るものを持って行ったほうが良いと思います。

13:47 帰りは27分で登山口広場まで戻れました 広場にはさっきのマイクロバスはすでになく、どうやら勝山公民館のほうに向かったようです。こういう片道登山ができると行動範囲も広がりそうなのでイイですよね。

途中で出会った植物です。季節的に花より実のほうが目立ちました。



右の写真は勝山公民館の近くに生っていたトックリキワタの実です。やがて弾けて綿毛が飛ぶらしいです

これは登山ルートで見つけたポットホールです。いたるところで見られます



右側のは雨水が溜まっています。まるで小型のカルデラ湖ですね

登山口広場から山頂までの高低差は180mほどで、登山道もよく整備されていて初心者にも登りやすい山でした。
沖縄の登山で人に会うのは珍しいですが、今日も登り下りとも人とすれ違いましたし、それだけ有名な山だという事だと思います。それにしても山頂は寒かった
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